みなさんはマンホールを知っていますか?
「マンホールって道路にある下水道の蓋でしょ?」
「工事の時に見るけど気にしたことないなぁ」
そんな人が大半でしょう
しかし、マンホールは穴の名称で、実際にみなさんが想像しているものは「マンホールの蓋」のことを意味しています
今日はマンホールに落ちた回数が2回ほどある筆者の僕が、みなさんにマンホールの蓋の苦難の歴史を、要点をまとめてわかりやすくご紹介します
マンホールの蓋の起源
マンホールとは上下水や配線が地中を通るように作られた筒のことで、その蓋が「マンホールの蓋」です
その始まりは、紀元前5000年前のメソポタミア文明に遡ります
簡易的でしたが、その時には下水道が誕生しており、マンホールの蓋のような石蓋も発見されています
明治17年に日本で初めて下水道が作られ、その時にマンホールの蓋も設置されたようです
当時は下水道自体がなかなか普及せず、マンホールの蓋に関しても明確な資料は見つかっていないようです
マンホールの蓋の進化の軌跡
日本に伝来したときは、最初は木製だったという説もあるようです
しかし、利便性などの観点からも改良が施され、明治末期から大正時代にかけて西欧で多かった丸形に変化しました
その後も材質や基本構造に研究と改良が繰り返され、現在の形になりました
伝来した当初はただの蓋としてしか考えられませんでしたが、時間が経つにつれて不便な点が浮き彫りになりました
材質的に非常に重く、80kg以上のものがたくさんあって扱いが大変でした
その上、マンホールの蓋自体が前後に動いたり回転したりして、摩擦による摩耗でガタツキが出るようになってしまいました
当時は車両の増加や大型化が進んでおり、その影響もあってガタツキによる摩耗が更に摩耗し、騒音問題や破損が次第に大きな問題となりました
その後、合金ダクタイル鋳鉄の誕生やがたつきを防止する「急勾配受け」構造が発明され、今まで問題とされてきた破損・ガタツキ・騒音・ズレなどが改善されました
マンホールの蓋が丸い理由
様々な理由がありますが、基本的には利便性を考慮した形であるため、採用されたと言われています
- 円形ならマンホールに落下する危険性がない
- 圧力の分散により破損のリスクが少ない
- 上下左右の概念がなく、設置と撤去が用意になる
- 製造のコストが安くなる
今やマンホールは大人気!
見かけた方も多いかも知れませんが、今ではご当地デザインのマンホールの蓋がたくさんあります
人気キャラクターが描かれたものもあり、そういったマンホールの蓋を写真に収めたりするコレクター(マンホーラー)もたくさん現れました
現在は日本のマンホールの進化と発展を管理する機関「日本グラウンド マンホール工業」と、デザインを探求する「日本マンホール蓋学会」という組織もあります
今やマンホールサミットも開かれ、マンホールの蓋のトレーディングカードも存在します
観光名所ではマンホールの蓋の柄も名所として有名になり、あまりの人気にマンホールの蓋が盗まれるという自体も発生したほどです
ただの利便性から生まれたマンホールの蓋ですが、これからは美しい街並みにも貢献してくれるようになったマンホール
足元にあるマンホールにも目を向ければ、あなたの人生も少し変わった世界が広がるかも知れません