いまでこそ当たり前に存在するはちみつは、かつては貴重な代物でした
それは古代エジプトに遡ります
今回は古代エジプトとはちみつの雑学を深堀りしていきます
過去の「古代エジプト」をテーマにした【ザックリ紹介】の記事からピックアップしたトピックです
まだご覧になっていない方は、そちらからお読みいただくことをオススメします
ハチミツの基本情報
「蜜(みつ)」とは、草花や樹木から分泌する甘い蜜のことです
「はちみつ」は、ミツバチが花の蜜を集めて巣に持ち帰り、貯蔵したもののことを指します
「はちみつ」には複数の種類があります
はちみつの匂いや色味を取り除いた「精製はちみつ」、とうもろこしデンプンを原料の液状糖を加えた「加糖はちみつ」の2種類は、純粋なはちみつではありません
古代エジプトに登場するはちみつは、そういった加工はされていないので、純粋はちみつとしてお読みください
糖(炭水化物)は身体のエネルギーとなる重要なものです
はちみつには”ブドウ糖”と”果糖”が含まれています
これらは吸収が早い糖の種類で、吸収される際に分解する必要がなく、胃腸に負担をかけません
そのため、病気などで体調が優れない人に最適な栄養供給源になります
それ以外にも、微量ながら重要な栄養が含まれています
はちみつに含まれる栄養は、熱などの加工によって減ってしまうので、できるだけ天然のはちみつで摂取すると良いとされています
参照
shigenoya forum(http://www.e-shigenoya.jp/honey/honey.html)
はちみつの起源
はちみつの起源は、厳密にはわかっていません
しかし、はちみつの始まりは人類の誕生よりもはるか昔と言われています
現在までに発見されている最も古い”はちみつを採取して食べていた記録”は、スペイン・レバント地方のアラニアの岩壁画で、約1万年前と言われています
日本でも、縄文時代の遺跡からクッキーのようなものが見つかり科学的な分析によって”はちみつ”が含まれているのではないかと言われています
日本のものに関しては確定要素が無いので、現在でも反論する人もいるようです
現代では当たり前の砂糖というのは、はるか昔の歴史にはありません
はちみつの栄養と甘味は、昔の人からすればとても魅力的だったのでしょう
現代でははちみつを安全に採取できますが、それは人類の歴史から見れば最近になってのことです
それまでは、様々な試行錯誤や勇気ある行動のもと、命をはってまではちみつを手に入れていたようです
参照
ハチ博士のハチミツコラム32(https://www.city.kyoto.lg.jp/nakagyo/cmsfiles/contents/0000127/127286/No32.pdf)
古代エジプトでは”はちみつ”は神様の涙
はちみつはそのままでも価値がありますが、加工して利用もされていました
ミイラにする過程ではちみつやプロポリスが使われたという記録があったり、子供の死体をはちみつ漬けにした瓶が発見されたりしています
これははちみつに強力な防腐効果があったため、保存液として使用されたのでしょう
ミイラと一緒に埋葬されたのが、蜜蝋づくりの人形です
蜜蝋というのは、はちみつを原料にしてろうそくのような材料のことです
現代では様々な用途で利用されていますが、古代エジプトでは既に知られていたことでした
そしてお酒としても愛されました
はちみつのお酒を「ミード」と呼ばれ、西洋では今でもある一般的に飲まれています
様々なお酒がありますが、ミードはかなり古いお酒の種類でもあります
それだけ古代エジプトで重宝されているはちみつは、命がけで採取するためかとても貴重なものでした
そんなは”はちみつ”は、エジプトのパピルスにはこう記されています
「ラー神の涙が地上に落ち,ミツバチに姿を変えた.ミツバチはその巣を造り,あらゆる種類の花を忙しく訪れた.そしてロウが作り出され,ハチミツもラー神の涙から創造されたのだ」
神様への貢物としても活躍した”はちみつ”は、危険もあり、贅沢でもあり、貴重でもあることから、神が零した涙と言われていたのです
参照
APIMOND HARU(https://www.apimondo.com/2016/01/23/ミツバチからの贈り物-ハチミツ-その2-エジプトのはなし/)
ハチ博士のハチミツコラム34(https://www.city.kyoto.lg.jp/nakagyo/cmsfiles/contents/0000154/154042/_No34.pdf)
古代エジプトでの養蜂技術
古代エジプトでの”はちみつ”の価値がわかったところで、次は”はちみつ”の採取の仕方です
他の古代エジプトの記事でも解説していますが、当時にはあらゆる技術・知識が高いことがわかっています
それははちみつの採取も同じです
はちみつの採取には危険が伴いましたが、その危険を回避するための技術が既にあったのです
はちみつを採取する場面を描いた絵の近くの象形文字を解読すると、そこには危険な蜂を煙でおとなしくさせて、その間に切り取った巣板を圧搾して採蜜したものをかめに詰める技術が書いてありました
そして、今でも行われている「移動養蜂(いどうようほう)」という手法が、古代エジプトでも行われていたということがわかっています
古代エジプトには既に高い養蜂技術があり、それによって比較的安全にはちみつを採取出来ていたのです
ただ、どうやら採取する量よりも、圧倒的に需要が高かったために希少価値が出ていたのです
参照
ハチ博士のハチコラム34(https://www.city.kyoto.lg.jp/nakagyo/cmsfiles/contents/0000212/212146/_No34.pdf)
まとめ
美味しいはちみつで様々な点から注目を集めているはちみつですが、古代エジプトでも大変注目されたものでした
はちみつは人類史ではあらゆる場面で目撃されていて、古代エジプト以外でも至るところで大人気だったようです
機会があれば、別のはちみつの歴史もとりあげたいと思っています
この記事が皆さんの人生に役立てれば幸いです
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